プログラミングの世界へようこそ

なぜプログラミングは楽しいのだろうか。(中略)まず言えることは、物を作り上げる純粋な喜びがあるということだ。子供が泥だんごではしゃぐように、大人は物を組み立てること、特に自分でデザインしたものを作り上げることを楽しむ。これは、神が万物を創造されたときの歓喜、つまり葉っぱの一枚一枚、雪の結晶一つ一つがみんな違っていて、しかも全てが新しいという喜びに近いものだろう。

『人月の神話』Frederick P. Brooks Jr著、滝沢徹・牧野裕子・富澤昇訳より引用

対象読者はだれか

プログラミング未経験者を対象としている。言語は Delphi を使用する。

はじめに

この講座の中心テーマは、「プログラムを実行する楽しさ」である。あなたは掲載されているプログラムを、実際に自分の手を動かしてエディタ(プログラムを書く場所)に打ち込み、それを実行し、実行結果を観察する。プログラム作成と、その実行過程を楽しんでください。

さっそく、最初のプログラムを実行してみよう。ちょっと、その前に注意点を 2 つ程。1 つは、この講座を作成するに当たって、私は Delphi6 professional を用いているということ。特定のバージョンに依存したコードは書いていないつもりだが、それでも多少プログラムの変更などが必要になるかもしれない。2 つめは、「プログラムを実行する」ということには、コンピュータがプログラムを実行する為に必要な処理なども含め、いくつかの前提条件があるということ。それらは、ある程度プログラミングに慣れるまでは、「おまじない」だと思って先に進んでほしい。おまじないといっても、いずれは理解しなくちゃいけない。しかし、今は無視して構わないことにしよう。慣れるに従って、少しずつ調べて理解していけば良いのだ。必要最低限のことだけ、ゆっくりと学んでいこう。

プログラムを実行するには、

という作業が必要だ。エディタを用意するところまでの操作は「おまじない」となる。以下の手順に従って、エディタを表示(用意)しよう。

はじめに、

Delphi を起動させたら、メニュー欄から、[ ファイル | 全て閉じる ] を選択する。

次に、再びメニュー欄から [ ファイル | 新規作成 | その他... ] を選択すると、次のようなダイアログが現れる。このダイアログの「コンソールアプリケーション」を選択する。

「コンソールアプリケーション」を選択すると、次のような「エディタ」が表示される。

プログラムは、このエディタに書く。ここまでをまとめると、

となる。

次は、プログラムを書く作業だ。エディタに次のようにプログラムを書いてみよう。

プログラムが書き終わったら、そのプログラムを実行しよう。実行するには、F9 キーを押すだけで良い。F9 キーを押すとプログラムが実行される。実行すると、下図のようなウィンドウが表示されるはずだ。

エンターキーを押せば、実行中のプログラムが終了し、ウィンドウが消える。以上がプログラムを実行するまでの流れとなる。まとめると、次のようになる:

  1. Delphi の起動
  2. メニューから[ ファイル | 全て閉じる ]を選択
  3. メニューから[ ファイル | 新規作成 | その他... ] を選択
    1. 表示されたダイアログの中の「コンソールアプリケーション」を選択
  4. 表示されたエディタにプログラムを書く
  5. F9 キーを押して書いたプログラムを実行

プログラムを実行するまでの手順をみてきた。これについては面白くもなんともない。面白いのはプログラムを書くことにある。

将棋駒がどんな動き方をするのか知らなければ、将棋は指せない。もちろん、将棋を”指す”ことと駒の動き方を知っているということは別問題だが。しかし、まずは駒の動かし方から知る必要がある。同じ事がプログラミングにも当てはまる。将棋の駒の性質に相当するプログラムの基本因子を知らなければ、プログラムは書けない。逆に言うと、それさえ知ってしまえば、将棋のような無限大の楽しみ方が出来るという事だ。その基本因子に当たるものを、これから学ぼう。


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更新日:2004-12-08