TrackBar の基礎

TrackBar を使った簡単な例を見てみましょう。TrackBar は一般にサイズの変更などに利用されることが多いです。それでは、フォームに Win32 ページにある TrackBar 2つと Additional ページにある Image を1つ、Standard ページにある Button を貼り付けて下さい。まず最初に、TrackBar で良く使うプロパティの説明をします。

Min、Max プロパティ
これは、その名の通り TrackBar における最小と最大です。
Position プロパティ
TrackBar の現在スライダ(「つまみ」ともいいます)が指している位置です。もちろん、この値は Min と Max の間にあります。
PageSize プロパティ
実行時に TrackBar のスライダの位置を移動させるのには、普通スライダをクリックしたままマウスを移動させることによって変化させますが、別の方法に、ただ単に TrackBar をクリックすることによってもスライダの位置を移動させることが出来ます。その、1クリックでのスライダの「移動量」です。 例えば、PageSize を10に設定すると1クリックでスライダが10移動します。
LineSize プロパティ
これは、PageSize がマウスのクリックに対して、矢印キー(「→」「←」)に変わっただけです
Frequency プロパティ
TrackBar 上に表示されているメモリ位置の細かさです。例えは、Min が 0, Max が 10 で Frequenceが1の場合、メモリは1刻みで表示されます。Frequenceを2にすると、今度は2刻みで表示されます。
Min が 0、 Max が 50、 Frequence を 10 とするとメモリは 10 刻みで振られます。

それでは、今回は Image にビットマップを表示して、その大きさを TrackBar で任意サイズに変更するようなプログラムを作って見ましょう。 今回は簡単のためにイメージエディタで 10 * 10 ぐらいの大きさのビットマップを用意して下さい。(保存もして下さい、場所はどこでも構いません) そして今度は、オブジェクトインスペクタで Image1 を選択して Picture プロパティの右側の「..」をクリックしてください。 すると、「画像の設定」というダイアログが出てくると思いますので、そこの「読み込み」ボタンを押して作成したビットマップを読み込んでください。

次に、2つの TrackBar の Min プロパティを 10、Max、Position プロパティを 100 にして下さい。最後に Button の OnClick イベントを書きます。

procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
begin
  Image1.Stretch := True;
 
  Image1.Width := TrackBar1.Position;
  Image1.Height := TrackBar2.Position;
end;    

Image1.Stretch でビットマップを任意の大きさに出来るように、 また Image1.Width、 Image1.Height で TrackBar のスライダが現在指している位置を反映させています。早速実行して、2つの TrackBar のスライダを移動させて見てください。ボタンを押すとその設定がビットマップに反映されます。

見やすくするためにラベルも張りました。また、最初にビットマップの大きさを指定したのは TrackBar の Min, Max プロパティの値を適切にするためにしました。なので、今度はビットマップの大きさや Min, Max プロパティをいろいろ変えてチャレンジして見て下さい。


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Last update 2002/3/21