もし、クラスについて初めて学んでいるならば、クラスは一種のまとまりだと考えてください。クラスには、変数、手続き( 或いは関数 )を含める事が出来る一種の入れ物だと考えると分かりやすいかもしれません。以下の例を見てください。
// クラス宣言 type ClassName = class(ParentClass) Temp: Integer; // 変数 Temp を宣言 procedure MyProc(i: Integer); // 手続き MyProc を宣言 end;
このように、クラスはキーワード class を使用することによって宣言する事ができます。ここでの例では、ParentClass から派生した ClassName クラスを宣言している事になります。そして、クラス ClassName は、変数 Temp、手続き MyProc を定義している事になります。もし、上位クラス( ここでは、ParentClass に当たります ) を省略した場合は、暗黙的に クラス「TObject」から派生することになります。
// 以下の2つのクラスは、どちらも同じ上位クラスから派生してます。 type ClassName = class(TObject) ..... end; type ClassName = class ..... end;
たった今、クラス ClassName には変数 Temp を定義したと言いましたが、クラスの中に定義した変数を Delphi では、「フィールド」と呼んでいます。同様に、手続き( 或いは関数 )は、「メソッド」と呼びます。また、一般的にフィールドには、その先頭に「F」を付けるということも覚えておいて下さい。まとめますと、以下のようになります。
// クラス宣言 type ClassName = class(ParentClass) FTemp: Integer; // フィールド FTemp を宣言 procedure MyProc(i: Integer); // メソッド MyProc を宣言 end;
Temp の先頭に「F」がついた事に注目してください。これは、Field の F を表しています。これは、単なる決まりごとだと思ってください。また、フィールドは、メソッドよりも前に宣言しなければなりません。